水無月歌会 [令和五年]
2023年6月17日 by 中世古悦子
今年も梅雨入りが早く、蒸し蒸しとうっとおしい日が続きます。
コロナが何とかおさまり、人混み以外ではようやくマスクが外せるようになりましたが、早くも台風が列島を掠め、発達した雨雲が数時間にわたって同じ場所に停滞する、線状降水帯による大雨の被害も、あちらこちらで聞かれるこの頃です。心配は尽きませんが、温帯から熱帯雨林気候へと急速に変動していく空へ、うまく対応していかなければなりません!
5月は、あゆち支社との合同支社会開催のため、お休みをいただきましたが、6月の支社会は、台風3号接近の影響による雨の合間を縫って、全員参加で予定通りに開催することができました。
会友それぞれの生活や行動がおもしろく詠まれていて、意見も多く飛び交い、水本先生のご指導のもと充実した歌会となりました。以下、自由詠一首と添削歌です。
・入院の一泊二日覚悟して母娘むき合ひ鉄火どん食む(後藤まゆみ)
・入院の一泊決まる老い母と母娘むき合ひ鉄火どん食む
・写メールの味笑まふデコラージュ展カップさまざまに紅茶ポットも(青山玲子)
・デコラージュ展写メールにきてほほゑまれカップもあれば紅茶ポットも
・通ふ血にほの赤らみし袋角のこる産毛へ青葉の風す(中世古悦子)
・通ふ血に赤らむ鹿の袋角やはらかに見え青葉の風す
・除湿して五月の風を身に浴びて原語放送ちゃんぐむを聞く(山本浩子)
・窓開き五月の風をすずしみて原語放送『ちゃんぐむ』楽し
・槻の木の透き見る月のあえかなり逝きける人のおもかげ立ちく(中川りゅう)
・槻若葉透き入る月のあえかなり逝きける人のおもかげも顕つ
・そらに誦み口馴れし語(ことば)たふとしと古事記つらつら宣長しるす(金丸満智子)
(添削なし)
・六度目の摂取券届き真夏日の多い日続くもマスクはなせず(中村智恵子)
・六度目のワクチン接種きて暑き日の続くともマスク外せず
・身を投げし若者の霊いづくにぞ華厳の滝に虹の彩澄む(井口慎子)
・身を投げし若者いづこにさ迷へる華厳の滝の虹高からず
・認知症の恩師いざなひバラ園に笑顔つらねて女子会始す(中城さとこ)
・老い深き恩師さそひてバラ園にコロナ忘れて女子会集ふ
・拾ひ来し河原の石ら逝く春の机に置けば遊べる如し(水本協一)